そのルート配送、特定の人しか分からない運用になっていませんか?
- 貴紀 伊藤
- 2 日前
- 読了時間: 3分

いつの間にか“あの人しかできない配送”になっていませんか?
毎日同じ店舗・拠点に荷物を届ける「ルート配送」。 一見、安定運用されているように見えても、中をのぞくと“属人化の落とし穴”が潜んでいることが少なくありません。
「●●さんの頭の中にしかないルート順」
「取引先の細かなルールや好みを知っているのは●●さんだけ」
「車両の積み込み順や休憩タイミングも本人判断」
ベテラン社員が長年担当している場合、このような状況は特に起きやすく、
“本人がいれば回るが、いなければ崩れる”という構造になってしまいます。
属人化された配送業務が引き起こす3つのリスク
① 急な欠勤・退職で配送網が崩壊
「明日から代わりに行って」と言われても、 どこに何を届けるのか、どんな順序でどう回るのか、引き継ぎ資料が存在しないケースも珍しくありません。 トラブルが起きれば、取引先からの信頼に影響する可能性も。
② 業務改善の余地が見えない
本人にしか分からない運用では、効率化の視点や課題の見える化ができません。
実はもっと短いルートがあるかもしれない
積載量に偏りがあるかもしれない
無駄な待機時間が発生しているかもしれない そんな可能性にも気づけないままになります。
③ 拡大・委託・DXに踏み出せない
新しい人材の育成、外部委託、システム導入などを検討する際、
「中が見えない」「標準化されていない」配送業務は大きなハードルになります。
属人化を防ぐには、“見える化と設計”が鍵
属人運用を脱却するには、まず以下のような取り組みが必要です。
各配送ルートの時系列・地図ベースの可視化
配送順・停車位置・荷積み方法などのドキュメント化
荷主や取引先とのやりとり・注意事項の情報共有
マルチドライバー運用への移行設計(誰でもカバーできる体制)
このプロセスは簡単ではありませんが、一度構築すれば将来的な業務継続・コスト改善・外注への橋渡しになります。
ルート配送外注時も「情報の引き継ぎ力」が品質を分ける
配送業務を外注したとしても、情報が個人に閉じていれば、引き継ぎに時間がかかり、ミスも増えます。
当社では、ルート配送の外部委託を受ける際に、次のような業務設計支援もあわせて行います
項目 | 内容 |
ルート情報の可視化 | 地図・時間・積載量・顧客ごとの指示を整理 |
配送フローのドキュメント化 | 誰でも分かる業務マニュアルを作成 |
運行計画の最適化 | 稼働時間・コスト・回り方の再設計 |
担当者変更時の引継ぎ支援 | スムーズな交代運用の実現 |
属人化から脱却し、“会社として持続可能な配送業務”を構築するお手伝いが可能です。
まとめ:「今は回っている」からこそ、見直すべきタイミング
ルート配送は、“日常業務”だからこそ見過ごされがちです。 でも、「特定の人しかわからない」状態のままでは、突然の変化に弱い運用になります。
もし今の担当者が急に休んだら?
他エリアに展開したい時、どう説明できる?
外注や省人化を考えたとき、何から手をつける?
こうした疑問を感じたら、それは「属人運用からの卒業」を考えるサインかもしれません。
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